旧北陸道に面した間口3間の奥行き約30mの敷地にたつ戸建住宅です。建築士のお施主様と弊社で設計を重ねてデザインを決定しました。北側に広がる浜黒崎松並木は江戸時代の参勤交代の際に日本海からの北風を遮るために植えられたものです。その松林を借景とするためリビングを北側に設けています。荒々しい松の表情は長谷川等伯の水墨画を彷彿とさせます。松林を通り抜けかすかに響く波音が松の動きに静けさを与えます。リビングは屋根の形に合わせた赤松板張りの曲面天井とし、空間にまとまりを与えます。シンプルな屋根瓦と吹付けの外壁が住宅に落ち着きを与えます。コンクリート土間の目地、タイル、杉板張りの天井、ブビンガの上框など、素材の表情を生かしたアプローチ空間が、家にかえるときに安らぎを与えます。